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看護師に多い自律神経失調症に注意!
恭子
看護師の仕事は、患者さまの命を預かっているだけにとても緊張感のある仕事です。
その緊張が続くことによって、ストレスが慢性的に蓄積することになり、自律神経失調症になってしまう人がいます。
特にブランクのある人が看護師に復職する際には、不安のあまり強くストレスを抱え続けることになりますので要注意が必要なのです。
自律神経失調症はどのような病気なのでしょうか。どうすれば予防出来るでしょうか。お伝えしていきたいと思います。
自律神経失調症とはどのような病気なの?
恭子
自律神経は「交感神経」「副交感神経」によって、緊張状態とリラックス状態を作り出しています。
私たちは、緊張を感じるような場面やとても不安になるようなことがあると、ドキドキしたり汗をかいたりしますよね。
緊張しているような場面では、交感神経が優位となってこのようなことが起きるのです。
逆にリラックスしている状態であれば、呼吸や心臓の鼓動もゆっくりとなります。これは副交感神経が優位となっている状態なのです。
これが通常の状態ですが、リラックスしなければならない自宅でもドキドキと不安感を感じるとか、仕事中に暑くもないのにダラダラ汗をかいたりするような状況が続くのならば、自律神経失調症を疑う必要があります。
自律神経失調症になると、慢性的に疲労を感じたり、動機がする、顔がほてる、下痢をするなどの身体的な症状や、イライラしたり、不安感が大きくなったり、ゆううつになったりするなどの精神的な症状が続きます。特にその直接的な原因がないにも関わらずに、そのような症状が現れるのが特徴です。
病院で内科的な検査をしても、まったく何も悪いところは発見されません。また症状は一人一人で違います。いろいろな原因が要因となっているからです。
自律神経失調症になってしまう仕組みを知っておこう
恭子
私たちの体は、どんな時でも一定の状態に保っておこうとする働きがあります。この働きのことを「ホメオスタシス」といいます。このホメオスタシスの働きがあるからこそ、暑い時でも、緊張する場面においても状態を保つことができるのです。
この働きは自律神経によって役割を担っています。自律神経は、私たちが意識をすることなく、内臓を働かせたり、血管に血を巡らせたり、必要なホルモンを分泌したりします。体全体を調整するために働いています。
自律神経には「交感神経」「副交感神経」があります。この2つの神経が切り替わることで、心と体のバランスも一定に保つことが出来ています。
自律神経失調症は看護師に多い病気ですが、看護業務の中で心身ともにストレスをかけ続けていると、自律神経がだんだん麻痺を起してきて、リラックスをするような場面においても緊張状態を続けようとしてしまいます。
例えば自宅にいるようなリラックスする場面においても、体は緊張状態を保ったままでいますから、体はとても疲れてしまいます。精神的な不安感もどんどん高まってきます。
看護業務において自律神経失調症になってしまう原因とは
恭子
身体にストレスをかけ続けてしまう場合
看護業務はもともと業務量がとても多いですし、身体への疲労はとても大きい仕事であると言えます。
夜勤などを含めた変則勤務で仕事をしている人であれば、生活リズムを崩してしまうこともあります。『参考 日本看護協会 夜勤・交代制勤務に関するガイドライン』
あるいは寒かったり、暑かったりすることだけでも疲れてしまうようなこともあります。
このように身体に対して、ストレスをかけ続けてしまうことは自律神経失調症の原因となります。
我慢強い人であれば、この身体的ストレスを感じないことがよくあります。自分自身が自覚していないとしても、身体的ストレスが蓄積していることがあります。
また看護師に多いのが、夜勤での仮眠時間や休憩時間の使い方が悪く、自律神経失調症になってしまうということです。自分自身に与えられた休憩時間においても、溜まっている仕事をしたり、別の業務をしたりすると、休憩時間内においてもリラックスすることができずに、身体的ストレスをかけ続けてしまう原因となってしまいます。
精神にストレスをかけ続けてしまう場合
精神的なストレスを受ける場面というのは、自分自身がプレッシャーを感じような場面や責任が大きいと感じる場面、人間関係に苦痛を感じる場面などさまざまです。
看護師は、精神的なストレスがかかる場面は多いと言えます。またブランクのある看護師が復職するような場合、慣れていない分、とても大きいストレスがかかる可能性もありますから注意が必要です。
プライベートにおいても、友人関係や家族のいざこざでもストレスとなります。離婚などであれば、相当大きな精神的ストレスとなってしまいます。
体質
もともとの体質により自律神経失調症になりやすいタイプがいます。
自律神経の働きが良くない人では自律神経失調症になりやすく、急に立ち上がった時にめまいがする人であれば、要注意です。
このようなタイプの人が看護師をする場合においては、自律神経機能を改善させておく必要があります。
普段から運動習慣を持っておくなど、工夫が必要です。
自律神経失調症にならない働き方
恭子
完璧主義をなくす
努力家で生真面目な人であれば、看護業務を完璧にこなそうとします。しかしこれは緊張状態の続く看護業務においては、とても危険な考え方になります。
完璧主義というのは、別にデメリットでもなく、良い効果はたくさんあります。しかし完璧にできないことで自分自身を追い込んだり、できなかったことで自己嫌悪に陥るようであればデメリットになってしまいます。
「ある程度できていれば良しとしよう!」という気持ちで看護業務を行うことがいいと思います。
物事はポジティブに捉えてみる
自律神経失調症になる人は、ネガティブな思考の傾向があります。
もともと完璧主義な人も多くいますので、完璧にできない自分をネガティブに捉えてしまい、自己嫌悪に陥ってしまうのです。
物事を捉えるのには、いくつもの方向がありますから、何事もネガティブに捉えるのではなく、ポジティブに捉えることが大事です。
例えば仕事でミスをしても、次はミスしないようにしようと前向きに捉えればいいと思います。悔やんでも仕方がありません。
過去のことを振り返って、反省ばかりの人生ではなく、未来に向かって成長しているんだという捉え方が自律神経失調症になりにくい考え方です。
リラックスできる方法を持っておく
看護師として働き続けていくためには、リラックスできる方法を持っておくことが大事です。看護師のお仕事は緊張感のあることも多いですから、リフレッシュできる方法を持っておくことが有効です。
休日には、スポーツをしたり、読書をしたり、自分のお気に入りの時間を確保することで、仕事と休日のオンとオフの区別を付けることができます。
また看護業務中であっても、休憩時間やちょっとお茶を飲めるような時間、トイレに行く時間などでは、少し意識的に息を抜けるようにしましょう。
夜勤中であれば、仮眠時間には必ずしっかりと休憩を取るようにしましょう。もし眠れないとしても、心と体を休めるようにしましょう。仮眠時間に耳栓やアイマスクを持参している看護師は多くいますし、クッションなどを用意している看護師もいます。
温かい飲み物など持参するのも良いでしょう。自分がくつろぐことができることを考えてみましょう。
自律神経失調症になってしまった場合
恭子
責任感の強い人であれば、退職して周りに迷惑をかけることが嫌な人もいるかもしれませんが、まずは自分自身の体制を整えることの方が優先です。
場合によっては退職することが必要だと思います。
また転職による道を考えられるようなことであれば、積極的に看護師求人サイトを活用して、担当コンサルタントと共に次の道を考えていきましょう。
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