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看護師に多い腰痛!復職して腰痛に悩まないようにするには
恭子
看護師として働いていた人の中には腰痛が理由で退職された方もおられるのではないでしょうか。これから復職をしようとする人の中には腰痛が怖いという人も中にはたくさんおられることだと思います。
看護師や介護職は腰痛はつきものであると言われます。確かに看護や介護においての労働災害の多くが腰痛です。実際、労働災害までいかないとしても慢性的に腰痛を持っている人はとても多いですし、看護師が仕事の中で発生する疾病の80%以上は腰痛であると言われています。
働いている看護師にアンケート調査をしてみると、85%の看護師が腰痛などの痛みを抱えながら仕事をしているという実態がありました。その中で腰痛などの痛みで仕事を辞めようと思ったことのある人は25%程度おられることも分かっています。『参考 日本看護協会 腰痛予防対策について』
看護師の業務において、腰に負担のかかるお仕事はたくさんあります。ベッド上でも移動や移乗、オムツ交換などは日常的に業務ですので、腰痛を起こしてしまう原因は常にあるのです。
酷い場合には椎間板ヘルニアとなってしまい、強い痛みやしびれが出てしまうようなこともありますので注意が必要です。
では腰痛で退職を経験したことがある人が復職して腰痛に悩まないようにするにはどうすれば良いのお伝えしたいと思います。
看護師の腰痛はボディメカニクスだけでは予防できない?
恭子
看護師が腰痛にならないようにするには、「ボディメカニクス」が必要であるとたびたび言われると思います。恐らく看護師の経験があって、腰痛を起こされた方の中にもボディメカニクスを実践されていた方はたくさんおられると思います。
ボディメカニクスとは患者様の移動や移乗を介助するための身体の使い方のことを言います。看護師だけではなく、介護職員などさまざまな職種が使っている技術になります。
ボディメカニクスは腰痛予防にとても有効になりますが、ボディメカニクスだけで腰痛予防を完璧にすることはできません。
腰痛の原因は、「前屈姿勢」「ひねり姿勢」「持ち上げ」「左右バランスの悪い体制」などであると言われています。これらの動作は看護業務での移動や移乗介助時において発生するものです。ボディメカニクスを習得しているとしても、とっさにこのような動きを行ってしまうことで、腰痛を起こしてしまう原因となってしまうのです。
実は、看護師が患者さんを抱えたり、持ち上げたりという業務は、先進国ではほとんど禁止されていることなのです。
アメリカやヨーロッパなどの看護師や介護職員は、人の重さに関わらず看護師が人を持ちあげることを禁じています。国によっては、法律で禁止しているほどなのです。
なぜこのような違いがあるかというと、看護師をいかに守ろうとしているかどうかであって、諸外国は日本よりも看護師を大事に考えているということになります。
これらの国ではリフトやスライディングボードなどの福祉用具を積極的に使用しています。日本ではまだまだこれらを十分に活用しきれているとは言えない状況です。
ボディメカニクスを知っているから、腰痛は大丈夫と過信しないようにしましょう。
腰痛が起きてしまう4つの要因に注意!
恭子
腰痛が起きてしまう原因には「動作要因」「環境要因」「個人的要因」「心理・社会的要因」があると言われています。その要因をなくすことで腰痛を引き起こすリスクが少なくなりますから、必ず頭に入れておきましょう!
動作要因
先ほどもお伝えしましたが、看護師が人を持ちあげてしまうという動作は、腰痛を引き起こす一番の要因となってしまいます。どれだけ気を付けていても、不用意に行ってしまうことで、腰部に大きな負担をかけてしまい、筋や腱を損傷させてしまうことになります。
人を持ちあげる動作だけではなく、不自然な姿勢もこの動作要因となります。例えば患者さんへのオムツ交換、体位変換、シーツ交換などもこれに含まれます。少しだから、と行ってしまうことで、実は腰部に大きな負担を蓄積していることになります。普段から負担をかけすぎないように注意することが必要です。
環境要因
働いている環境が原因となって腰痛となってしまうことになります。例えば、長時間にわたって休憩なしで働き続けるような場合。腰部に負担をかけ続けていないとしても身体に疲労が蓄積し、腰部に負担をかけた時点で痛みを生じさせてしまうことがあります。
休憩を十分に取らなかったり、仮眠を一切取らなかったりという自分自身の管理に関するものや、病院内の室温が低く腰を冷やしてしまうことも原因となることがあります。床の状態やシューズなどが原因で腰痛を引き起こすこともあります。
個人的要因
例えば普段からスポーツや筋トレなどをしているような人であれば腰痛を起こしにくいと言えるでしょうし、年齢が若い人よりも高い人の方が腰痛を起こしやすいとも言えるでしょう。現役の看護師よりもブランクのある看護師の方が腰痛を起こしてしまうリスクは高いかもしれません。
このような基礎的な身体状況や年齢によっても違いますし、身長や体格なども人によって違いますから、別の看護師が腰痛にならないと言っても、自分が行うと腰痛を起こすかもしれないと思い、注意しましょう。
心理・社会的要因
ストレスは身体に影響を大きく与えてしまいます。例えば人間関係でストレスがたまっているような場合や、上司や先輩とのトラブル、患者さんとの関係などが大きければ大きいほど、腰痛を起こすリスクが高いと言われています。
ストレスは腰痛と直接関係ないようにも思いますが、ストレスを大きくためないことが腰痛を起こさないためにはとても大事なことなのです。
看護師は休息が大事!休息をとって腰痛予防を!
恭子
看護師は気がつかない間に腰部に負担をかけて、ある日、痛みが始まってしまうということが多くあります。また少しの痛みで我慢して、看護業務をしていたら、突然激痛に変わってしまったということも少なくありません。
またそのような蓄積した負担が、思わぬところで慢性的に腰痛に変わってしまう事もあります。例えば自宅で何気なく家事をしている時であったり、外出して散歩しているような場合でも起きてしまうことがあるのです。
「これぐらい大丈夫!」と思わずに、必要に応じて安静にすることが大事です。
極端な休息は必要ありませんが、普段から腰には負担をかけずに、疲れている時やストレスを感じる時などはしっかりと休養を取ることをおススメします。
また看護業務を行っている時でも、少し腰に負担がかかった業務を行った際には、軽くでもストレッチをするなどしておきましょう。休憩時間や仮眠時間などはしっかりと身体を休めることが大事です。
普段からこの「オン」「オフ」の使い分けができないと腰痛になるリスクが高まりますから注意しておきましょう。
我慢をし過ぎず、転職や退職を検討することも
恭子
あまりにひどい状況であるならば、転職も検討しなければならないでしょう。
そんな時には看護師求人サイトの登録をおススメします。働いてみないと分からない看護業務の内容など、内部情報に精通したコンサルタントさんから助言をもらうことができますよ。
こちらの記事

に、看護師求人サイトの活用方法についてまとめていますので、ぜひご覧頂きたいと思います。